ぼくの地元にあるヤマハリゾートつま恋。
スポーツやレジャー、音楽イベント、その他もろもろなんでもあった総合リゾート施設です。
経営悪化で2016年12月25日をもって閉鎖されるというすごいショッキングな話。
そもそもぼくが掛川で育った理由はつま恋があったから。
というのも、父親がとある人に誘われてつま恋で働くために東京から掛川に移住したんです。
おそらく40年くらいつま恋で働いてます。
ぼくの家族はつま恋とともに育ってます。なので、閉鎖の話はだいぶショックな話です。
以前に、そんな父親につま恋ってどんなところで、どんな考え方(コンセプト)なのかを聞いた話を載せておきます。
おそらく、ほとんどの人がつま恋って当初はこんな考え方があったとは知らなかったと思います。
つま恋って?
1974年5月1日に日本初の会員制の大型リゾート施設「ヤマハリゾートつま恋」として掛川市にオープン。
大人にも夢中になれる、スポーツ・音楽・娯楽などのアミューズメント施設
真の癒しをお手伝いする温泉・宿泊などのリラクゼーション施設
文化・交流・教育などを高める会議・研修などのカルチャー施設
が自然環境豊かな広大な敷地のなかにあります。
敷地面積が170平方メートルと広大な会員制の大型のリゾート施設です。
その敷地のなかで自然とスポーツ・アミューズメント施設、ホテルなどをうまく融合させています。
特に、スポーツを楽しんでもらえるようにしています。
ただし、スポーツといっても競技のスポーツのように厳しくやるスポーツではなく、レクリエーションのように楽しくスポーツをするというものです。
楽しくレクリエーションをすることができるというのはつま恋の強み。
また、スポーツ以外にもつま恋には多くの自然があるので、その自然に触れながら遊ぶ楽しさ知って欲しいという考えのもとに、クラフト教室、押し花教室、キャンプといった活動をしてます。
つま恋の名前の由来
つま恋という名は、掛川市にある小夜の中山で歌われた和歌の
『たびねする 小夜の中山さよ中に 鹿ぞ鳴くなる 妻や恋しき』
のなかの「妻」・「恋」をとって名づけられてます。
HOME AWAY FROM HOME(第2のふるさと)という考え方
つま恋は“HOME AWAY FROM HOME”という考え方をもってます。
”HOME AWAY FROM HOME”は「第2のふるさと」っていう意味で、つま恋をもう1つのふるさとだと思ってもらえるように運営しています。
“HOME AWAY FROM HOME”の取り組みの1つが、つま恋が会員制のリゾートホテルである点です。
現在では、会員のお客様だけでなく一般のお客様も入れますが…。
基本的にはつま恋は会員制のリゾートなんです。
なんで会員制?
会員制にすることで、“HOME AWAY FROM HOME”の考え方をいかせると考えています。
会員制にするということは、特定のお客さまだけがつま恋で遊べます。そのため、つま恋に来るたびに会員同士で顔見知りができてきます。
もちろん、最初、知らないお客様同士では話す機会や一緒にスポーツやレクリエーションをやったりすることはほぼ無理です。
でも、知らないお客様同士でもつま恋のスタッフの顔は知っているので、私たちつま恋のスタッフがお客様の間で仲介をすることで知り合いになることができます。
そのようなことを繰り返すうちに、会員のひとりひとりを知らなくてもその中で誰かしらは知っているというようになり、会員のお客様同士で輪ができていきます。
輪が広がることで、例えばお正月やお盆などの時期に会員のお客様のなかで集まることがあるときに、つま恋という場所は知り合いがたくさんいるところ、「ホッ」と安心感をもつことができる場所、ふるさとに戻ってきたような感じになる場所となる、つまり“HOME AWAY FROM HOME”を感じてもらえることができます。
つま恋は1つの村
つま恋は村のようなものなんです。
自分やつま恋のスタッフはまるで村の青年団のリーダーのようにお客様を指導したり、まとめたりする役割があります。
つまり、お客様の輪の中心につま恋が常にあるようにすることがつま恋の目標です。
コンパニオン制度という考え方
コンパニオンといっても、今当たり前となっているイメージの宴会などで女性の方がお酌をしたり、場を盛り上げたりする人のことではありませんのでご注意を。
「コンパニオン制度」とは、スポーツリゾートでもあるつま恋でお客様にスポーツを楽しんでもらえるようにする仕掛け人のことです。
スポーツにはコーチがいますが、普通の競技スポーツでは、コーチが偉い立場で上からの目線で指示をだすコーチが絶対だというイメージがあります。
そのことがスポーツ嫌いになる原因になることがあります。
つま恋ではこのようなイメージを改善するために、スポーツとお客様との間に「仲介人」を置くことで、スポーツを楽しんでもらえるようにしています。
このようにお客様を楽しめるように仲介をする人のことをGO(Gentle Organizer)と呼ぶことがあります。
コンパニオンの役割
つま恋のコンパニオンの役割は、
- お客様がすすんで楽しんでもらえるようにする。
- コーチとお客様が対等な関係で技術を高めていく。
というような感じです。
スポーツの種類によって、主には競技スポーツではこのコンパニオン制度はなじみにくく大変でした。
逆に団体スポーツ、ウォークラリーなどのレクリエーションのようなものではこのコンパニオン制度がうまく機能しました。
コンパニオンで大切なこと
スポーツやイベント、レクリエーションで仲介の役割をするときは、はじめのレッスンが肝心だと言われています。
はじめのレッスンでは、まずスポーツ・レクリエーションをするお客様に喜びや「やった」という達成感を味わってもらえるようにします。
『よろこびを知った人間は強い、自分で伸びていく』
という言葉があるのですが、
最初に、このような達成感や喜び、充実感を味わうことでやっていることが楽しくなります。
そのことがよい循環を生み上達が早くなります。
逆に、最初に不快感を与えてしまうとそれがあとあとまで残り、お客様に楽しんでもらえなくなってしまうことがあるので最初は十分に注意して行います。
お客様にリラックスしてもらうためには、安心感や信頼感をもたせることが肝心です。
そのためには、接客において「おはようございます」などのあいさつを笑顔でしたり、フレンドリーに接したり、気配りを忘れずに精一杯・一生懸命にすることが大事です。
ハイテクで運営しながらローテクを大事に
接客ではハイテクを駆使するのではなく、ローテクを大事にする。
それが、つま恋で仕事をしているなかで大切にしていることです。
その接客の裏では、ハイテクを駆使して運営をしているんですけどね。
こんな話を昔、父親に聞きました。
もともとのつま恋の考え方はこんな感じなんです。今のつま恋がはたしてこんな感じなのかはわからないんですが…。
軽井沢や箱根のような町(村)を目指して作られたつま恋。
自然も資源もたっぷりあるので、これからそれらをうまく生かしてほしいなって思ってます。
せっかくなんで、ブログでしばらく残しておきます。
2コメント
2016.09.12 10:25
2016.09.08 22:17